【VILLAGE通信 vol.4】江戸の食卓を、この町が支えていた 長崎県

佐賀からさらに西へ。長崎県には、国指定の伝統的工芸品が3品目、県指定が10品目あります。
人口一万四千人ほどの町が、日本一になった
波佐見焼が始まったのは、今から約400年前の慶長四年。染付と青磁を中心とする陶磁器です。
注目したいのは、次の事実です。江戸後期、波佐見の染付の生産量は日本一に達しました。
大名や豪商のための高価な器ではありません。普通の人が毎日使う、手の届く値段の食器です。江戸の庶民の食卓を、この小さな町が支えていたのです。
「安く、丁寧に」は、妥協ではない
波佐見の思想は、四世紀を越えて一貫しています。飾る器ではなく、使う器。主役になるのではなく、料理を引き立てる器。
この姿勢が、むしろ今の暮らしに合っています。古いからではなく、選ばれ続けている。
年に一度、町が器で埋まる
ゴールデンウィークの波佐見陶器まつりには、町内の窯元・商社が約150店出店します。通常の3~4割引きで並ぶこの数日間、人口をはるかに上回る人がこの町を訪れます。
隣の有田、三川内とあわせてめぐる人も多いといいます。県境をまたいで、焼き物の帯ができているのです。
外のものを、自分のものにする力
長崎は、鎖国の間も世界に開いていた土地です。そしてここの人は、外から入ってきたものをそのまま真似ませんでした。
カステラはポルトガルの菓子が原型ですが、本国に同じものはありません。ちゃんぽんも、長崎で生まれた料理です。
受け入れて、作り直す。日本のものを世界へ送り出すときにも、同じことが必要になるはずです。
次号は、火の国・熊本へ。
参考:長崎県庁「長崎県の伝統的工芸品」、長崎県公式観光ポータルサイト「ながさき旅ネット」、波佐見町観光協会
——Value Village編集部